
第1幕:兄弟の交換


ウミサチヒコは
海の幸を司る漁師の神、
ヤマサチヒコは
山の幸を司る狩猟の神でした。
ある日、
二人はお互いの仕事を交換しようと
思いつきます。

兄上、
私たちの役目を交換してみませんか?
山の幸と海の幸の両方の世界を
経験してみたいのです。

そうか、
面白い考えだ。
よし、やってみよう。

こうして二人は道具を交換しました。
しかし、
ヤマサチヒコは魚を捕ることができず、
さらに兄から借りた釣り針を
なくしてしまいます。

第2幕:釣り針の喪失


兄上、大変です。
釣り針をなくしてしまいました……。

なんだと!?
あれは私の大切な釣り針だぞ!
絶対に見つけ出して返せ!

ヤマサチヒコは釣り針を探しましたが、
どうしても見つかりませんでした。
困り果てた彼は、
海の底に向かう決心をします。

第3幕:海の底の冒険


釣り針を探すため、
ヤマサチヒコは海辺で悩んでいると、
海の神ワタツミの助けを受け、
海底の宮殿へと向かいます。

私はヤマサチヒコと申します。
兄の釣り針をなくしてしまい、
探しているのです。

そうか。
我が宮殿に来るのであれば
手を貸してやっても良いが
どうする?

伺わせて頂きます!

ワタツミは、ヤマサチヒコを歓迎し、
娘のトヨタマヒメを紹介しました。

ようこそ。
あなたが困っているなら、
私たちがお手伝いします。

ありがとうございます・・・。
あなたの優しさに感謝します。

ヤマサチヒコはワタツミの宮殿で
歓迎を受け、
その娘トヨタマヒメと結婚します。
そしてワタツミの助けを借り、
失った釣り針を見つけました。

ヤマサチヒコよ。
兄に勝ちたかろう。
我がその願いをかなえてやろう。

ワタツミはヤマサチヒコに
「兄を負かす方法」を教え、
更に呪いの言葉を釣り針に込めて返しました。

この釣り針は・・・。
何やら良からぬオーラが
出ておりますが
大丈夫でしょうか・・。

気にする必要はない。
そなたの為になるよう力を込めた。
もどって兄に渡すが良い。
面白いことがおきるであろう。

第4幕:兄の降伏


ワタツミの助けを受けたヤマサチヒコは
釣り針を手に入れ、地上に戻ります。
そして、
呪いの言葉を釣り針に込めて兄に返しました。

兄上、これが釣り針です。
お返しします。

そうか見つかったのか。
よし返してもらうぞ。
では腕前を比べてみるか?

釣り針を返してもらった兄は
その後、不運に見舞われ、
逆にヤマサチヒコが成功を収めるように
なりました。

最終的にウミサチヒコはヤマサチヒコに屈服し、
弟の力を認めました。

弟よ、私は負けを認める。
力を無くした私では
民たちの豊漁を支える事が
出来ないだろう。
山も海も、お前が納めるといい。

兄上、
兄上の期待に応えれるよう
頑張ります。

こうしてヤマサチヒコは勝利を収め、
海と山の調和を保つ神として
語り継がれました。
この後、結婚したトヨタマヒメと、
新たな物語が始まります。

ホラーね。
お兄ちゃんかわいそうすぎない?
ちょっと釣り針に呪いとか
ヤバすぎるでしょ。
海の神の陰謀説じゃんこれ・・・。

姉上!いけません。
まだ陰謀と決まったわけでは
ありませんし。
そもそも
スサノオ!!
あいつが海を治めないから
別の神が納めて管理できていない状態に・・・。
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